大切なことなのでご本人の許可なしに転載させていただいた。
「令和の米騒動」、あと5年もすれば農家がほとんどいなくなってしまう、そうすれば日本は食料をほとんど輸入に依存しなければなくなり、独立国としては存在しえなくなってしまう、これは、そんな道を回避するための最後のチャンスかもしれない。
こんな事態になったのも、これまでの政府の政策が原因。米国からの輸入優先、減反政策、農家を減らす政策と、アリバイ作りとしての農産物輸出拡大政策、ここ数十年、地域の食を壊し続けた。その挙げ句の果てが米騒動。だから、この政策を根本的に改めるチャンスなのだ。
でも、政府は間違った方向を変えるのではなく、むしろ、その誤った方向をいっそう強めようとしている。5月30日に関係閣僚会議で農産物輸出戦略を決定して、来年には種苗法再改正を通常国会に提出するとして、現在、パブコメ実施中¹。
マスメディアはその政策を批判する能力を失ってしまった。それではYouTubeなどの新メディアはどうなのかというと、有力な数十万のフォロワーを持つYouTuberはむしろ強力にこの方策に翼賛している。政府には批判的なはずのYouTuberまでも絶賛すらしている。さすが報道の自由で先進国最下位の国ならではだ。
しかし、政府が進める大規模農業は実はもろい。先祖代々の土地を受け継いでいる小農は状況が厳しくとも、農地を守るために食料生産を続ける。しかし、大規模農業経営体はそうはいかない。収支が立つ見込みがなければ生産を止める。だから、大規模農業ばかりにした場合、経済状況によって食料生産は止まってしまう。もし、大規模農業に依存したら、食料危機で世界は大変になる。
だからこそ、国連は2014年に大規模企業型農業から、小規模家族農業推進に舵を切った。世界の多くの政府がそれに従った。それに耳を貸そうとしなかったのが、日本政府。そもそも日本の農業はみな小規模であるのに、小規模農業の強みを生かそうとはしなかった。離農者が増えても、大規模化にはむしろ有利、として見捨ててきた(というより離農を促進してきた)。そして、もはや、小農の力で維持してきた地域の農業インフラがもはや維持困難になってきた。有史以来途絶えたことがなかった歴史が断たれるかもしれない。このままでは日本は飢える、そして滅びる。
「令和の米騒動」は一時的に米価が落ち着けばいい、という問題では決してなく、食料を生産できない国になってしまうかどうかの最後の選択の時なのだ。なんでこんな国にした、と未来の世代から言われる前に、どう変えるか、真剣に考え、立ち上がる時。
ということで、そんなことを考える学習会やイベントがいくつもあります。ぜひ、ご参加ください。7月には鎌倉に行きます。
追記:
ちなみに、周辺で辞めていく農家の田んぼを引き受けて、結果的に大きな規模になった農家を批判しているのではまったくありません。地域の担い手を守らない政策を批判しています。担い手が増えれば、地域も活気づきます。もちろん、それを支える政策と人が必要ですが。
ローカリゼーションデー
6月8日10時から18時まで
分科会「たねのローカリゼーション 〜ゆるやかに繋がる未来会議」は11時から12時15分
申し込み: https://peatix.com/event/4400558
詳細プログラム:
https://peraichi.com/landin…/view/localizationdayjapan2025
映画『Closer to Home』上映と堤未果さん、辻信一さんとのトークに僕も加わります。こちらは有料ですが、他では見られない話ですので、ぜひご参加いただければ幸いです。
「クローサー・トゥー・ホーム ローカリゼーションという希望」上映+ゲストトーク
6月6日19時30分〜21時30分
申し込み: https://0606closertohome.peatix.com/
《オンライン学習会:米騒動とバイオテクノロジーその2》
日時:2025年6月23日 (月)午後8時〜9時30分
申し込み:https://save.okseed.jp/eventapply1
コメと日本農業の行方 アグリビジネスとどう向き合うか
日時:2025年7月12日(土) 13:00~15:30
会場:カトリック雪ノ下教会 レベックホール 鎌倉市小町2-14-4(鎌倉駅東口から徒歩5分)
無償の情報提供を維持するために、OKシードプロジェクトの活動を支えるためのお金が不可欠です。可能な方は、ぜひご支援をお願いします。
寄付フォーム:https://save.okseed.jp/donation?src=snfi
(1) パブコメについては6月2日の投稿参照
種苗法再改正については5月31日の投稿参照
コメントを残す